今月25日に、江湖村バイオマス発電所の試運転を行いました。
江湖村のバイオマス発電機は、ドイツ製の小型木質バイオマス熱源兼発電機です。
日本での導入は、江湖村が初めてです。
そのためドイツより技術者を招き、講習を受けました。
発電機で乾燥チップを燃焼し、バイオマス発電を行いました。
一般的なバイオマス発電は、バイオマス(木質資源など)を燃料に水を熱し、出てきた蒸気で
タービンを回して発電する仕組みです。
江湖村のバイオマス発電は、上記の発電方法とは異なり、森林の手入れで発生する間伐材
の木質チップを燃料に、改質炉で木炭ガスを発生させ、そのガスでエンジンを動かし発電機を
回し発電する仕組みです。
改質炉とエンジンの廃熱を回収し、お湯として熱源を得ることもできます。
ビニールハウス中央のコンクリートの建物の中に発電機が置かれ、左側上部が温室の畑に
なっており、右側のビニールハウスがチップの乾燥室です。
江湖村バイオマス発電所の流れです。
①間伐材木質チップ(杉の木)を購入します。
②木質チップを乾燥させます。
水分を10%まで乾燥させます。
※発電時発生するお湯を温風に変え、チップの乾燥を行います。
③乾燥したチップを、乾燥チップ備蓄庫に保管します。
乾燥チップを2階のチップ補充サイロに上げます。
④小型木質バイオマス熱源兼発電機でチップを燃焼させ、ガスを発生させます。
⑤ガスでエンジンを動かし発電機を回します。
⑥電気と温水を作ります。
電気・・・発電機を回すことで電気を作ります。
温水・・・ガスとエンジンを冷却する時に熱を回収し温水を作ります。
⑦電気は、再生エネルギー買取制度で売電、自家安定電源として利用します。
温水は、重油ボイラー代わりです。施設床暖房、温室ビニールハウスなどに利用します。
燃焼後灰が出ます。灰は、樹木等へ肥料として利用します。
バイオマス発電は、燃やしても二酸化炭素(CO2)の増減に影響を与えない「カーボン
ニュートラル」と言う発想でつくられています。
バイオマス発電に利用されるバイオ燃料は有機物であるため、燃焼させると二酸化炭素を
排出しますが、成長過程では光合成により大気中の二酸化炭素を吸収します。
排出と吸収による二酸化炭素のプラスマイナスはゼロになります。
このような炭素循環の考え方を「カーボンニュートラル」といいます。
発電時に二酸化炭素の増減に影響を与えない(カーボンニュートラル)ため、自然エネルギーの
普及は地球温暖化防止につながります。
「江湖村バイオマス発電量」
発電能力 1時間で45kW×24h=1080kWh
一般家庭、約70世帯分の電力をまかなうことができます。
いよいよ、来月10月10日にバイオマス発電所の運転を開始する予定です。